【個人と法人との比較】
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[個人と法人との比較]
個人と法人(ここでは株式会社を例としています。)とを比較するとおおよそ下記のようになります。ご参考にされてくださいませ。
内 容 | 個 人 | 法人(株式会社) |
資本金 | 不要 | 必要(株式会社は最低1円) |
出資金 | 個人財産 | 共同出資 |
資産 | 個人所得 | 個人と会社は別 |
業務の変更 | 自由 | 定款に記載した範囲内 |
事業年度/決算月 |
1/1~12/31の暦年 /12月決算のみ |
半年決算も可能で自由/決算月も自由に決められる |
設立手続 | 不要 | 必要(所定の手続きがいる) |
責任 |
個人の全財産をもって 無限責任を負う |
出資分を限度として有限責任となる |
会計 |
簡易帳簿でも可(但し青色 申告で65万円控除は複式簿記) |
複式簿記 |
決算時 |
白色申告は収支内訳書 /青色申告10万円控除は損益計算書 /青色申告65万円控除は損益計算書・貸借対照表、が必要 |
貸借対照表・損益計算書が必要 |
事業主給与 | 費用とはならない | 役員報酬として費用となる(ただし役員賞与は費用(損金)とはならない) |
家族給与 | 白色申告は86万円 /青色申告は専従者給与(届出必要) | 給料としての支払いは経費 |
退職金 | 事業主・専従者は経費とならない | 税務上適正な範囲で経費となる |
減価償却 | 強制償却 | 任意償却 |
健康保険 | 国民健康保険 |
政府管掌保険(経営者とその家族も加入可能) |
年金 | 国民年金 |
厚生年金(経営者とその家族も加入可能) |
許可・認可 | 本人のみで終了(承継はしません) |
会社が存続するかぎり永続(社長交代でも可能) |
[法人化の利点等]
①実務的に差が感じられるのは、“なんといってもビジネス上でのスピードに差が出る!”点かと思われます。
具体的には、テナントや事務所などを借り受ける契約の際には保証人を要求されますが、このような時において差が実感として感じられることとなります。
個人の場合には最低1名、場合によっては2名必要となるケースも見られます。
法人の場合は、“代表取締役が保証人となればOK!”ですので、ものの数分で賃貸借契約が完了してしまいます。(これは法人と個人は別ものとされるからです。)
複合機などのリース契約などにおいてもほぼ同様となります。
②また、各種の営業許可において差がでてまいります。
建設業や宅建業などの許可などが必要な業種の場合は、明らかに法人にしておくべきです。
個人の場合の許可はその人のみの許可となりますのでその人一代限りとなってしまい限界が生じてしまいます。
許可を法人で受けておきますと、もし社長が長期入院などとなった事態などでもしもの事態となった時にでも他の役員などへ社長交代をすることにより繋ぐことができますので営業許可は永続して使用することが可能となります。
③税務会計上の点においては、なんといって決算月が自由に選べるという点があげられます。
卸売業・小売業・製造業など決算時に棚卸をすべき業種はかなり多いのですが、これが個人事業のままですと一番いそがしい時期でもある12月末において実地棚卸高を調べなければなりません。
これを法人化することによって比較的いそがしくないと思われる月を決算月にすることができます・
次に給与の扱いの差があり法人化すると事業主本人の給与を役員報酬として費用(損金)にすることができます。
また、税率等の仕組みが異なることから一定以上の所得(利益)が生じてくる場合には法人化したほうが有利となってまいります。
④比較的見落としがちなのが、融資(新規創業制度融資)の点です。
ことに、「日本政策金融公庫」においての新規創業制度融資が、有効活用できます。
こちらは、新規にビジネスを開始される方々にとっては、大変ありがたい制度といえます。
なんといっても、一般的に銀行などがあまり相手にしない新規に創業をしたての方々や事業開始3年以内の方々を対象にしている点、かつ無担保・無保証人にても融資の可能性が高い点、などが魅力となっています。
ところで、では個人事業で数年営業を続けてこられてきた方々にとっては、はたしてこの新規創業制度融資の対象となりえるのか?、という疑問点がございます。
実は、新規に法人を設立してしまえば、この新規創業制度融資の対象となりえるのです。
なぜなら、個人と法人とは法的には別人格でありますから、新規に設立した法人はやはり新規に創業したことには変わりはないからなのであります。
ぜひ、こちらの新規創業制度融資も有効活用したいものです。
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