【外国人の法人設立の場合】

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こちらの頁では、外国人の方でまだ日本における在留資格がない方のケースについてを主テーマとしています。

 

この在留資格がない外国人の法人設立につき、つい最近法務局での取扱が改定がおこなわれました!☆⇒「法務省HP該当箇所(商業当期・株式会社の代表取締役の住所について)」(平成27年3月16日)

 

旧来の方法

以前は、在留資格がない外国人の法人設立につきましては、その本人単独では設立登記をすることができないこととなっておりました。

したがって、その外国人とぷらすして日本人の最低2人(発起人)での法人設立が必要となっていました。

 

今回の改定

今回の改定では、この在留資格がない外国人でも単独での法人設立可能となりました。

 

法務省HPより:「外国人・海外居住者の方の商業・法人手続について」および他資料
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PDFファイル 6.6 MB

在留資格がない外国人の場合

在留資格がない外国人が日本で法人を設立する場合、おおまかな手順そのものは日本人が設立する場合と基本的にはかわりません。

ただ、異なってくる点もございます。

それは、日本人にいうところの『印鑑証明』が外国においてはほとんど取得不能な点でございます。(これが取得できれば日本人の場合と基本流れはかわりません。)

外国におけるほとんどの国においては、日本独自のシステムといわれる『印鑑証明』というシステムがないことが通常となっています。

これにかわりうる方法としては、『サイン証明』というシステムがございます。

国際的には、むしろこの『サイン証明』というシステムのほうが一般的とされています。

で、当該の外国人にこの『サイン証明』を取得していただく必要がございます。

『サイン証明』は、当該の外国人の国の「領事館」において取得することが原則的な手法となります。(本人が日本でいうところの運転免許証のような当該国での公的証明書を持参して、証人の立会のもと自筆にてサインをしてこれに証明。)

なお、法務局におきましては、これに「日本語訳」をつけていただくことを要求してこられますので、こちらもわすれないよう準備されておかれてください。

 

※参考

ちなみに、公証人役場においてもこの『サイン証明』としての認証をしてくれます。この場合の『サイン証明』は、公証人役場における定款認証時については、使用可能とされているようでございます。(当方の実体験の範囲では可能でした。札幌の公証人役場での認証された『サイン証明』は、福岡の公証人役場での定款認証のさいには問題なく受理してもらえました。)

しかし、この公証人役場が認証した『サイン証明』は公証人役場同士のレベルでは可能とんされても、法務局のほうではNGのようでございます。よって、法務局では原則とどおりの方式にて行われるようされてください。

 

在留資格

日本での在留資格は法でその種類が定められています。

そのうちの一部分について、下記の表に掲げております。

                         (在留資格の一部抜粋)

在留資格


          在留資格の内容

 

就労可否

高度

専門

一.高度の専門的な能力を有する人材として法務省令で定める基準に適合する者が行う一定の要件に該当する活動であって、我が国の学術研究又は経済の発展に寄与することが見込まれるもの 

二.前号に掲げる活動を行った者であって、その在留が我が国の利益に資するものとして法務省令で定める基準に適合するものが行う一定の活動

   ○

経営

管理

 本邦において貿易その他の事業の経営を行い又は当該企業の管理に従事する活動(「法律・会計」に該当するものはのぞく。)

   ○

法律

会計業務

外国人法事務弁護士、外国公認会計士その他法律上資格を有する者が行うこととされている法律又は会計に係る業務に従事する活動  ○

短期滞在

本邦に短期間滞在して行う観光、保養、スポーツ、親族の訪問、見学、講習又は会合への参加、業務連絡その他これらに類似する活動

 ×

            (※上記の他にも在留資格の種類は多数ございます。)

 

[在留資格/経営・管理]

外国人が日本において法人を設立(営利目的)した場合、在留資格は「経営・管理」に該当することとなります。

よって、原則として在留資格の「経営・管理」の取得(もしくは他在留資格からの変更をする必要がございます。

※こちらも法改正が行われまして、旧来では「投資・経営」という区分に該当しておりましたが、今回の改正にて「経営・管理」という区分に改定されました。(H27.4/1より)

 ☆法務省HPでの該当頁はこちらです。⇒「法務省HP/在留資格「経営・管理」

 

[旧来の方法]

今回の改正の前によく利用されていた方法をご紹介いたします。

まずは在留資格/短期滞在(など)で日本に来て(上陸して)、その間にいっきに手続をすませる手法です。

この場合、日本に来て(上陸して)いる間に、日本人の協力者の協力により(旧来は外国人単独では手続ができませんでしたので)会社定款認証および法人設立登記の手続きまでを行います。(ここで一旦帰国などして待機しておきます。)

会社が設立できたら、ただちに在留資格を短期滞在(など)から投資経営(改定前の区分の名称)へ変更の申請を行う、といった手順となります。

この手順は、改定後でも利用できうるものです。

 

[改定後の着眼点]

今回の改定においては、着目点が2つあるといわれます。

1つは、在留資格/経営・管理の在留期間につき4月という期間が設けられた点。(結果、在留期間は3ヵ月・4ヵ月・1年・3年・5年の5つ。)

もう1つは、旧来では法人設立が完了してから在留資格/投資経営への切り替え申請をおこなっていたのが、会社の定款認証時点においての申請が可能となった点。(表現上では、“原則、定款の写し。提出できない場合には、設立見込みについてほかの資料を提出していただき、該当性を判断”、といった不確定的要素を多分に含んだものとなっているようです。)

 

[外国人の不動産の賃借]

上記までは、法律上での論点でありましたが、現実問題として実務上での論点もございます。

ことに外国人が日本にきて不動産の賃貸借の契約をする場合が、ひとつの現実的論点となります。

一般的に日本の不動産の業界の実務面におきましては、日本人の保証人を最低1人はつけないと賃貸借契約はしてもらえない、という慣習・慣例がございます。

よって、外国人が単独で賃貸住宅(若しくは事業用のテナント等)への入居をすることは、現実問題上かなり困難かとはいえます。

しかし、なかには外国人向けの不動産を紹介している業者等もございます。(この場合、そもそも外国人オーナーの業者であったりすることが多いようです。)

また、まれに地方公共団体などが外国人でも入居可能としているものも若干あるようです。

このような機関などの利用を検討されるのもひとつの方法です。

 

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